8月25日(金)に、マネーフォワード(3994)が東証マザーズへの上場が承認されています。
マネーフォワードは、自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の提供を行うPFM事業、法人・個人事業主向けのクラウド型サービス『MFクラウド会計・確定申告・請求書・給与・消込・マイナンバー』といった6つのバックオフィス向けMFクラウド事業等を行っている会社です。
これにより9月29日(金)に上場予定となりました。また、同日となる29日には、市場区分未定で西本Wismettacホールディングス(9260)の新規上場も決まっており、2社同時上場となる予定です。
なお仮条件は、想定価格仮条件1110円~1550円(平均価格1,330円)に対して、1350円~1550円の設定。公開価格は上限の1550円となりました。
Contents
マネーフォワードがついに上場へ!
株式会社マネーフォワード
想定仮条件1,110円~1,550円の平均価格1330円から計算したPBR(連結)は7.24倍、公開時価総額目安は243.1億円です。なお、第5期のPERは赤字のためありません。
(PER:第5期決算時の当期純利益を基に算定・PBR:第6期第2四半期決算時の連結純資産額を基に算定※第6期より連結財務諸表を作成)
業績としては、利用者数の急増とともに売上高の急伸が続いています。
ただし、前期(第5期)・進行期(第6期)ともに経常損益はいまだ赤字であり、ベンチャー企業らしい、将来性が先行した形での新規上場案件です。
監査法人は「有限責任監査法人トーマツ」
業種は「情報・通信業」です。
創業者・代表取締役の辻 庸介(つじようすけ)氏
マネーフォーワードの創業者である辻庸介氏は、1976年生まれの兵庫県出身。
大学でバイトテクノロジーを学ぶため京都大学農学部に入学したが、在学中に先輩の手伝いで進学塾の起業を経験するなど、ビジネスの面白さに目覚める。卒業後はソニー(株)入社し、経理部に配属。
その後2004年からはマネックス証券に出向し、CEO室配属(1人のみの部署)。あの松本大社長の部下として働き、その経営学を直接目の当たりにする。その後、転籍し正式なマネックス証券の社員に。2011年には社費留学で、ペンシルベニア大学ウォートン校でMBA取得。
帰国後には同社でCOO補佐、マーケティング部長などを経験しながら、2012年5月に6人のメンバーでマネーフォワードを設立。2013年1月には正式にマネックス証券を退職。
ビジョンは、
「お金を前へ。人生をもっと前へ。」
我々のサービスを通じて、個々人のお金に対する悩みや不安が軽減し、日々の暮らしの改善や夢が実現する。そして、日本国内の「お金の流れ」が変わり、より世の中が活性化し、新たなチャレンジを生み出しやすい環境づくりに貢献することが、我々が乙事業を行う最大の目的である。
【Money Forward・ビジョンより引用】
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家計簿アプリ『マネーフォワード』利用者数の推移
- 2015年10月 利用者数が200万人突破
- 2016年9月 利用者数が400万人突破
- 2017年1月 利用者数が450万人突破
- 2017年4月 利用者数が500万人突破
2017年4月に利用者数が500万人を突破するとともに、「家計簿アプリシェアNo.1」をアピールしています。
成長性は抜群で、最近では金融機関や、フィンテックを利用したロボアドバイザー「WealthNavi」などとの提携なども加速させています。
上場日までのスケジュール
銘柄名/証券コード | マネーフォワード/3994 |
市場 | 東証マザーズ |
上場日 | 9/29(金) |
仮条件決定日 | 9/12(火) |
BB期間 | 9/13(水)~9/20(水) |
公開価格決定日 | 9/21(木) |
購入申し込み期間 | 9/22(金)~9/27(水) |
払い込み期日 | 9/28(木) |
(※)証券会社によって期日が異なるため、お申込み証券会社でご確認ください。
発行条件など
決算 | 11月 |
申込単位 | 100株 |
想定仮条件 | 1,110円~1,550円 |
平均価格 | 1,330円 |
仮条件 | 1,350円~1,550円 |
公開価格 | 1,550円 |
株価初値9/29(金) | 3,000円(193.55%・1.94倍) |
公開株式数 | 2,931,000株 (公募1,617,700株・売出931,000株・OA382,300株) |
上場時発行済株式数 | 1,8279,400株 |
オーバーアロットメント(OA)と合わせて、2,931,000株なので、最大当選枚数は29,310枚です。
当選枚数は、やや多めで当たりやすいIPO銘柄です。想定仮条件の平均価格1,330円で計算した吸収価格は、約39.0億円で東証マザーズ市場としては「大型規模」のIPO銘柄となります。
申込みができる証券会社
※ブックビルデング申込期間は、9/13(水)~9/20(水)までとなっています。
ロックアップと株主上位
氏名・名称 | 所有株式数(株) | 所有割合(%) | ロックアップ |
辻 庸介 | 3,879,800 | 19.95 | 180日 |
ジャフコSV4共有 投資事業有限責任組合 | 2,898,040 | 14.90 | 90日又は1.5倍 |
浅野 千尋 | 1,842,000 | 9.47 | 180日 |
市川 貴志 | 1,284,000 | 6.60 | 180日 |
マネックスベンチャーズ(株) | 930,000 | 4.78 | 180日 |
(株)クレディセゾン | 800,000 | 4.11 | 180日 |
瀧 俊雄 | 653,000 | 3.36 | 180日 |
(株)静岡銀行 | 594,120 | 3.06 | 180日 |
SBIホールディングス(株) | 567,200 | 2.92 | 180日 |
都築 貴之 | 453,000 | 2.33 | 180日 |
MSIVC2012V 投資事業有限責任組合 | 320,000 | 1.65 | 90日又は1.5倍 |
谷家 衛 | 253,200 | 1.30 | 180日 |
三井物産(株) | 245,100 | 1.26 | 180日 |
中平 弘文 | 213,200 | 1.10 | 180日 |
アスクル(株) | 200,000 | 1.03 | |
ソースネクスト(株) | 161,840 | 0.83 | 180日 |
■ 上記株主保有分の内、マネックスベンチャーズ(株)の保有する465,000株、浅野千尋159,000株、辻庸介97,000株、市川貴志69,200株、瀧俊雄51,600株、都築貴之30,000株(上記株主以外では井上直樹27,200株、中山慎一郎20,000株、池田容子12,000株)は、今回の売出株式となります。
※ロックアップ180日目は、平成30年3月27日(火)
【マネーフォワードの資金調達の推移】
いままでに伝えられている内容です。
- 2012年12月…第三者割当増資?円(マネックス・ビジネス・インキュベーション)
- 2013年3月…第三者割当増資約1億円(個人投資家、早稲田情報技術研究所、創業メンバー)
- 2013年10月…第三者割当増資5億円(ジャフコ)
- 2014年2月…第三者割当増資5,500万円(TBSイノベーション・パートナーズ、三菱UFJキャピタル)
- 2014年12月…第三者割当増資約15億円(ジャフコ、クレディセゾン、ソースネクスト、三井住友海上キャピタル、電通デジタル・ホールディングス、GMO VenturePartners、他)
- 2014年12月11日…【1:100】の株式分割を実施
- 2015年8月…第三者割当増資約10億円(SBIホールディングス、静岡銀行、ジャフコ)
- 2015年10月…増資約6億円(山口フィナンシャルグループ、東邦銀行、三井物産、Fenox Venture Capital、三菱UFJ信託銀行)
- 2016年10月…第三者割当増資11億円(みずほキャピタル、三越伊勢丹イノベーションズ、Fenox Venture Capital、東邦銀行、北洋銀行、群馬銀行、福井銀行、滋賀銀行等)
※上記「資本金」には資本準備金等を含んでいます。
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マネーフォワードのIPO株価の初値予想
初値予想は、そこそこの上昇は期待できそうです。
まず最大当選枚数が29,310枚と多く、想定価格仮条件として示された1,110円~1,550円の平均価格1,330円で計算した吸収価格は39.0億円・想定時価総額243.1億円です。
この時価総額は、かねてから噂されていた「100億円~200億円」という想定を上回ることになります。ロックアップは、一部の株主を除きかけられていますが、やはり需給的には重たそうな案件です。
また、ベンチャー企業らしく、利用者数の増加とともに売上高も大きく伸びていますが、経常損益はいまだに赤字である点もマイナスで、PBRという指標的にも割高感があります。
逆にプラスな点としては、
業績的な売上高が急上昇し続けている点や、いまや家計簿アプリシェアNo.1である「マネーフォワード」の知名度の高さは、IPO銘柄としても人気化する可能性などです。
また業種的に、同社のクラウド事業には潜在的な成長性を感じさせる点もプラスです。将来にさらに大きく成長するのであれば、上場したての段階の株価は安いと夢見る方もいるかもしれません。
「現実的な指標」 VS 「事業の将来性」 どちらに重きを置くかというところで、この銘柄の判断は分かれそうです。
とはいえ、プラス要素も多く、公募割れのようなことはなさそうなので、積極的な申し込みで問題ないのではないでしょうか。
【上場日・IPO銘柄名・証券コード/市場】
8月IPO
- 8/3(木)シェアリングテクノロジー(3989/東証M・名証セントレックス)
- 8/9(水)トランザス(6696/東証M)
- 8/30(水)UUUM(3990/東証M)
9月IPO
- 9/13(水)エスユーエス(6554/東証M)
- 9/14(木)三菱地所物流リート投資法人(3481/東証REIT)
- 9/14(木)ウォンテッドリー(3991/東証M)
- 9/20(水)ニーズウェル(3992/JASDAQS)
- 9/22(金)PKSHA Technology(3992/東証M)
- 9/26(火)壽屋(7809/JASDAQS)
- 9/28(木)ロードスターキャピタル(3482/東証M)
- 9/29(金)西本Wismettacホールディングス(9260/未定)
- 9/29(金)マネーフォワード(3994/東証M)
関連記事 新規上場!IPO一覧【2017年度】
マネーフォワードのIPOに応募する方法
将来、マネーフォワード株を保有するためには、IPO(新規公開株式)で狙っていく方法があります。IPOで株式を購入するためには、まず証券会社の口座を持っていないと申し込めません。
今回の主幹事はSMBC日興証券とマネックス証券なので、当選を狙うならまずこの2社が優先です。
SMBC日興証券
SBI証券と並んで新規公開株式数がダントツなので、IPO投資をするなら口座開設必須の証券会社です。
抽選は完全平等抽選で、完全平等抽選の場合は1口座に対して誰もが1チャンスなので「誰でも平等に当選チャンス」があります。
マネックス証券でのIPOの抽選は全て平等な証券会社です。『本気で当てたい』IPO銘柄の際には、複数の証券会社での申し込みが基本です。こちらも開設しておくとよいでしょう。
また以下ではマネーフォワードの幹事の中で、ネットで気軽に申し込みができる証券会社です。IPOで当選を狙うのであれば、複数応募により当選確率を上げていきましょう。
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