株式の売買単位(単元株)がすべて【100株】に統一されます!今後、何がどう変わっていくの?

売買単位100株に移行
株式の売買がすべて100株単位に!?

いよいよ東京証券取引所など全国の証券取引所は、2018年10月1日を期限にすべての上場会社の株式の売買単位を100株単位に変更することを公表しました。

この計画は2007年11月以降、全国の証券取引所が「売買単位の集約に向けた行動計画」として進められていた、売買単位統一計画の最終段階となります。

この目標に基づき、気が付けば、昔はよく見られた1株や10株単位銘柄というのはすでになくなっていたんですね。

いつの間にか100株と1000株単位だけになっています。今回は、この辺のところを調べてみることにしました。

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わかりやすい株式市場で、投資家のすそ野が増える?

最近のIPOはすべて100株単位での上場が義務付けられているので、12/25現在では、すでに上場企業の72.6%が100株単位になっているようです。

なのでこれから残りの約27%の企業も、順次、100株単位に変更になっていくということになります。

でも、

全部100株単位になると、何が変わるのでしょうか?

素朴な疑問です。

たとえば、8830住友不動産の株価(12/25終値)は、3,468円で単元株(最少購入単位)が1,000株となっています。

なので、現在では約350万円持っていなければ買えません。
(ここではミニ株投資などの説明は省きます)

ところが100株単位になると、その10分の1の35万円あれば購入が出来ることになります。なので、今まで高くて買えなかった人は買いやすく、全部は売りたくなかった株主は売りやすくなるため、市場の流動性が増し、取引が活性化することが期待されるということになります。

また銘柄ごとに、

「あれ?これ何株単位なんだ?」

とか気にせずに、株価に単純に×100をすれば最少購入単価が計算できるようになります。

なので、

“分かりやすい株式市場”をアピールすることにもなり、まだまだ国民に活用されていないNISAなど、初期学習の面倒さゆえになかなか株式投資に踏み出せていない層にも、アプローチしやすくなりそうです。

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売買単位は「100株」を統一目標とするのはなぜ?

次の素朴な疑問です。

「1000株ではなく、10株や1株でもなく、なぜに100株なの?」

全国証券取引所による「行動計画」では、以下の4つを理由として上げていました。(それぞれの内容につき、”“以降の段で勝手に解説を入れてみました。)

①上場会社の多くが100 株又は1,000 株を(売買単位として)採用。

⇒(2007年時点で)すでに大多数なのでであれば、「基準」となるのに大きな混乱を起こしにくくはなりますよね。

ここでは100株か1000株の2択に絞られました。

ちなみに、すでに2014年までに100株か1000株を単位化は完了済みで、次の期限2018年10月1日がさらに”100株”に絞る最終段階となります。

②(売買単位の)100 株へのくくり直しが近年数多く実施されている。

⇒(2007年時点において)多くの企業が100株単位へ鞍替えしていることが、なにより100株単位の優位性・利便性の証拠。(投資家にとって分かりやすく、投資しやすい金額帯が100株単位なら形成されやすい?)

1000株より100株への変更が多いから、最終的には100株が望ましかろうという意味でしょうか。

③100 株の銘柄の多くが望ましい投資単位の水準に収まっている。

⇒100株単位の場合だと、株式購入の「最少単位」の基準として、理にかなっている・または投資家が投資行動を行うのに際しての、適正な価格帯になりやすいからという意味なのでしょう。

100株でやっぱり問題ないよね、というダメ押しでしょうか。

④会社法上、単元株式数を1,000 株以下にする必要があるため、1,000 株に統一した場合には単元株式数の異なる種類株式の発行の自由度が制限される。

(100株であれば議決権割合の濃い・薄い両方の種類株式の設計が可能ですが、1000株にすると議決権割合の薄い種類株式の設計が不可能になってしまう)

⇒会社法上、会社は定款により、1000株以下の一定数の株式を”一単元”と決めることができます。そしてこの”一単元”を決めた株式には、一単元につき、一つの議決権がついてきます。(“単元”を決めないと、1000個の議決権になる)

なので、この一単元を1000株にした場合、1000株保有の株主の議決権は、1つのみで、当然、それ未満の”単元未満”の株には議決権が与えられません。

企業は発行する株式の種類ごとにこの「単元株式」設定の有無や、一単元を決められるのでより柔軟に発行することができます。

なかなか難しい話ですが、要は会社法との兼ね合いから100株を単元株とした方が、企業側にとっていろんな種類の株式を発行しやすくなるメリットがあるよ、と言っているようです。

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売買単位100株で、期待されること

最後の素朴な疑問です。

「そもそも、なぜ売買単位を統一しようとしているの?」

以下は、平成19年11月27日に全国証券取引所から出された「売買単位の集約に向けた行動計画」の引用です。

・日本の証券市場の国際競争力の向上は、日本経済にとっても重要な課題の一つであり、市場の使い勝手の更なる向上が必要。
・売買単位が何種類も存在する市場は国際的にも少数であり、投資家の利便性を低下させる一因となっている。※ 1
・売買単位集約により、市場の使い勝手が向上することは、投資家をはじめとする市場利用者の利便性を向上させる。
・利便性の向上により、中長期的に流動性の向上及び高い流動性を背景とした資金調達の円滑化が見込まれるため上場会社にとっても有益です。また、流動性の向上に伴い、既存株主にとっては、より安定した換金機会が確保されることになります。
・売買単位の種類が減ることにより、株式売買取引における誤発注のリスクが低減するという効果も期待できます。※ 2
※1 アメリカでは100 株単位、ヨーロッパでは1 株単位が主流となっています。日本では売買単位について証券取引所の規則により現在でも一定の制約があるものの8 種類存在しております。
※2 誤発注対策は、証券会社及び証券取引所で一定の対応を既に実施しており、売買単位集約の主の目的ということではありません。

【出典:売買単位の集約に向けた行動計画】

平成19年11月27日 全国証券取引所

簡単に言えば、以下のような感じでしょうか。

  • 国際競争力の向上
  • (国内外)投資家の利便性
  • 市場関係者の利便性
  • 会社が資金調達しやすくなる
  • 株主が株を売りやすくなる
  • 誤発注リスクの低下もついでに期待

たしかに、統一した方がすっきりするし、分かりやすくなることが利便性・流動性の向上につながるという説明は納得できます。

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売買単位の変更で今後起こりそうなこと

また、その他にどんなことが起こりそうなのかを、少しだけ考えてみました。

高くて手が届かなかった株が買えるようになる!?
⇒現在、1000株が単元株の企業の場合は、100株になることにより買いやすくなるので株価が値上がりする可能性?

ただし株主が増える分、会社の管理コストは増えそう。

でも、いまの投資単位の水準を維持したい会社では(※)株式併合が実施されて、やっぱり買えない、なんてことも。

※株式併合…数個の株式を一つにまとめること。対義語は、株式分割。

投資単位が低すぎる会社発生!?
⇒売買単位が1000株で、いまの株価が100円を切っているような会社などは、100株単位になることで、投資単位が1万円以下になってしまいます。

その場合、企業にとって株主が増加することによる管理コストの増大や、そもそも投資家にとっても、株の購入代金に対する売買手数料の比率が高くなってしまいます。

なので投資額の水準を維持するために、やはり株式併合を行う企業が多くなりそうです。

一般的には株式併合を行った会社の株価は、けっきょく下落することが多く、あまり歓迎されていません。

なのでそのような観点から、今後、株式併合が懸念される会社については注意してみていく必要がありそうですね。

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コメント

  1. 遠藤 清一 より:

    はじめまして。
    質問です。
    株のこと良くわかりませんが、日産車体株1000株
    所有しています。
    この株を売る際、手続きの仕方また
    いくらになるかしりたいのですが、
    連絡お願いいたします。

    • kabudondon より:

      遠藤さん

      >>株のこと良くわかりませんが、日産車体株1000株
      >>所有しています。
      >>この株を売る際、手続きの仕方また
      >>いくらになるかしりたいのですが、
      >>連絡お願いいたします。
      その株はどこかの証券会社の口座内にあるのでしょうか?
      それとも自社株?

      もし口座をお持ちでなく、「株券の現物」を自宅等に保有している
      ものを売却したいような場合はまず、

      どこかの証券会社に行って、「証券保管振替機構(ほふり)」という
      所に株を預けてから、売却手続きを取ってもらう必要があります。

      株式の現在価値としては
      9/1現在、日産車体の株価は958円なので、
      958×1000株=958,000円です。

      ですが、購入されたときの平均価格(取得価格)
      との差額が利益となっていれば、
      (958,000円-取得価格)×約20%が【税金】としてとられ、

      さらに、売却を依頼した証券会社ごとに設定されている
      【売買手数料】もかかってきます。

      仮に遠藤さんの取得価格が600円だった場合は、
      税金(所得税)は72,700円ぐらいです。

      いっぽう、売却手数料の方は、インターネットを使って自分で売却できるなら
      100万円前後の株の売買の場合でも安く、500~1000円ぐらいですみますが、

      ネットが苦手で、証券会社に預けてから電話や窓口で
      売却を依頼するような場合には、5000~8000円ぐらいは取られます。

      それでもどちらをとっても、
      手取りは90万円弱ぐらいにはなるはずです。

      また、株の購入時期が古いなどの理由で取得原価が不明な場合は、
      売却代金の5%が取得原価となってしまい、利益がたくさんあるものと
      みなされて税金をがっつり取られてしまうことになりますので、ご注意ください。